宮城県山元町には知る人ぞ知るウッドクラフトギャラリー「無房」があります。ギャラリーには岩手県大船渡市出身の新沼正明さんのつくった作品がところせまし並んでいます。

新沼さんは30年以上まえに、勤めていた会社をやめ、家族とともに山元町に移り住んできました。しかも山元町の奥深い山の中。当時は道も、畑も、電気もなにもない未開の地。木に囲まれ、木と共に生きることを選んで移り住んだのだそうです。

ギャラリーには50種類以上の多種多様な木を、時間をかけて丁寧に削り出してつくられたお皿やカップ、使用用途が不明な器までその数600点以上が並んでいます。

これらすべて新沼さん一人がつくったというのは驚きです。一体どれくらいの時間がかかるのでしょうか。実はギャラリー自体も新沼さんのセルフビルド。新沼さんは、木でつくれるものはなんでも一人でつくっちゃう木の達人です。

一人で丸太をくみ上げてつくるログハウス

現在ギャラリーの隣の敷地には、大きな丸太をくみ上げたログハウスが建てられています。このログハウスも新沼さん一人で建てているそうです。

「なぜ一人で建てているんですか?大変じゃないですか?」と聞くと、「なんでこんな楽しいことを人にやらせなきゃいけないの?」と笑顔で答えてくれます。本当に木が好きなんですね。

リンゴの木でつくったリンゴ

無房の名物といえば、山元町名産のリンゴの木でつくったリンゴのオブジェ。めちゃくちゃかわいくないですか?思わずカブりつきたくなりますね!

現在ギャラリーの隣の敷地には、大きな丸太をくみ上げたログハウスが建てられています。このログハウスも新沼さん一人で建てているそうです。

ほかにも、虫食いを活かしたお皿や、持ち手の部分が、ぐにゃぐにゃっと曲がった味わい深いカップなど。無房には都会のギャラリーには置いていない、見たことも、聞いたこともない種類の木でつくられたユニークな作品がたくさんあります。

お土産やプレゼントに最適

ホントにたくさんの作品があるので、ギャラリーで作品を見ているだけでも、あっという間に、時間が過ぎてしまいます。

しかも、新沼さんはそのちょっと怖そうな風貌とは裏腹に、とっても気さくでお話し好き。木のことを話し出すと止まりません。

ギャラリーにおいてある作品は、全部お土産や、プレゼント用に買って帰ることができます。お値段はリーズナブルなものから、ちょっと値段がはるものも。

でもその作品ができあがる過程を新沼さんから聞くと、その値段がついているのも納得。

木を丁寧に、ていねいに時間をかけて削りあげてつくった器にはその値段の価値があると思います。

朽ちた木も 虫食いの木も ひたすら削る

新沼さんが書いているブログには、こんな言葉が書いてあります。「木を削って風の中  朽ちた木も 虫食いの木も ひたすら削る 使うなら使ってみろ」

新沼さんの作品には人の恣意的な感情が極力排除されているように感じます。つねに木と対話しながら、木が求めるがままに、ただひたすら削る。

そんな自然との対話から生まれる作品は、どこのウッドクラフトギャラリーでも見つけることができない、世界でたったひとつの作品に出会えることでしょう。

関連情報

ウッドクラフト無房
住所:〒989-2201 宮城県亘理郡山元町山寺新山58−2
営業時間:不定期(日が出ている時間)
URL:http://mubou.way-nifty.com/